どうも、独立系FPのみやむら(@fp_mmiya)です。
突然ですが、今お勤めの会社を辞めるとき、加入している健康保険はどうしますか?
あなたが会社を退職・転職するときは、健康保険組合から脱退するのが原則です。
では、脱退した後、どうしたらよいか知っていますか?
この記事では、万が一の状態を保障する健康保険を脱退する際に知っておきたい制度について解説します。
この記事を読めば、退職・転職時に慌てることはなくなると思います!
しっかり勉強していきましょう!
会社を辞めるときの健康保険の選択肢
退職や転職で会社を辞めることになった場合、加入している健康保険をどうするかは悩みどころですが、以下の3つから選ぶことになります。
- 国民健康保険に乗り換える
- 配偶者が働いている場合、配偶者の被扶養者となる。
- 任意継続被保険者制度(以下、「にんけい」といいますね)を活用する
健康保険の「にんけい」とは?
健康保険の「にんけい」は、一定条件を満たしていれば、加入していた健康保険を個人で継続して加入できる制度です。
「にんけい」を活用するための条件と手続き方法
「にんけい」を申請するための条件と、手続きを説明します。
2-2-2で覚える「にんけい」の条件
「にんけい」を選択できる条件は以下の通りです。
・健康保険の被保険者期間が継続して2ヶ月以上ある
・任意継続保険者の申請期間は資格喪失日から20日以内
・「にんけい」の期間は2年
2(か月)-2(0日)-2(年)で覚えておきましょう!
手続きの方法
「にんけい」の手続き先は、現在加入している健康保険組合になります。
手続きは、資格喪失した日から20日以内に行います。
たとえば、協会けんぽに加入していた人であれば、住んでいる地域を管轄する協会けんぽ支部に申請手続きをします。
保険料と納付方法
保険料は、退職時点の標準報酬月額に保険料率をかけたものになります。
これまでは労使折半で保険料を負担していましたが、「にんけい」に移行すると事業主負担はなくなり、全額自己負担になります!
納付の方法は3つ
保険料の納付は3種類あります。
- 毎月納付書で納付
- 毎月口座振替で納付
- 年度を単位として一括して事前に納付(前納)することができます。
前納は、12ヶ月分まで可能です。
資格喪失する条件
次の条件に当てはまったときは、任意継続期間中であっても被保険者の資格を喪失します。
- 加入者(本人)が就職して、健康保険の資格を取得したとき
- 保険料を期間内に納付しなかったとき
- 加入者が後期高齢者医療制度の資格を取得したとき
- 加入者が死亡したとき
- 任意継続被保険者でなくなることを希望したとき
従来は、「にんけい」を申請した後は本人の意志で脱退することはできませんでしたが、2022年1月の改正で、本人の意志で脱退できる条件が追加されました。
2年の継続期間が終了または資格喪失した後はどうなる?
2年の継続期間が終了したとき、加入者は、国民健康保険に加入するか、ご家族が加入している健康保険の被扶養者となるかのどちらかを選択することになります。
「にんけい」を選択するメリット・デメリット
メリット
・国民健康保険より保険料を安く抑えることができる場合がある。
・健康保険の無加入状態を回避できる
・健康保険組合のサービスが利用できる
・扶養者の負担がない
デメリット
・労使折半ではないので、支払う保険料は倍となり負担が増える。
・退職時の標準報酬月額で保険料が決まるため、収入の多寡によらず2年間は保険料が同じ
・場合によっては、任意継続のほうが保険料が高くなる場合もある
・自己都合でやめることが原則できない
退職後の健康保険を選択するときは、メリットデメリットをよく吟味して選ぶ必要があります。
注意点
よく任意継続期間中に失業保険の受給は可能かとの質問がありますが、結論から言うと失業保険の受給条件を満たせたら併用は可能です。
ただし、傷病手当・出産手当は一部例外を除いて支給されない!
一部例外とは、健康保険の資格を喪失する前に傷病手当金や出産手当金を受け取っている方の場合は、任意継続に移行しても継続して給付を受けることができます。(資格喪失後の継続給付といいます)
特例退職者被保険者制度との比較
「にんけい」と似た制度に、特例退職者被保険者制度があります。
2つの制度の違いは、
・利用できる期間が、「にんけい」は2年間にたいして、特例体側者被保険者制度は後期高齢者医療制度が始まるまで(つまり74歳まで)加入可能
・特例退職者被保険者制度は、厚生労働大臣の認可を受けた特定の健康保険組合に限定されている。
2021年の段階で、全国約1400の健康組合のうち、たった61組合にしか無い
・適用できる条件が「にんけい」より厳しい。
まとめ
健康保険をそのまま継続するのか切り替えるのかは、負担となる保険料額や保障内容も含めて検討することが重要ですね!
正直、「にんけい」にメリットがあるかどうかは、あなたの家計状態によります。
判断に迷ったら下のボタンをぽちっと押して、信頼できる専門家に相談してください。