2022年10月、法改正により社会保険の適用が拡大され、それにあわせて非正規の公務員「会計年度任用職員」の保険証が全国健康保険協会から共済組合に変わりました。
こう思っている会計年度任用職員の方も多いと思います。
実はこの変更には、会計年度任用職員さんにとって、医療費などの面で大きなメリットがあります。
何が変わったのかを見ていきましょう!
全国健康保険協会から共済組合に移行
2022年10月、非正規の公務員の多くを占める「会計年度任用職員」さんが、正規職員と同じ共済組合の保険に移行しました。
これにより、非正規の公務員のほとんどが共済組合の「短期組合員」という資格を取得し、それまで加入していた全国健康保険協会から移行することになりました。
これは「社会保険の適用拡大」という法改正により、全国健康保険協会に加入する人が今後増加していくため、会計年度任用職員を共済組合に移行し、全国健康保険協会の負担を分散するためと考えられます。
なお、移行するのは社会保険のうちの健康保険に関するもので、厚生年金についてはこれまでと変更はありません。
大きなメリット「付加給付制度」
病院とあまり縁がない人は「保険証の色が変わった」程度の認識かもしれませんが、実はこの変更は、会計年度任用職員さんにとっては大きなメリットがありました。
全国健康保険協会の給付と、共済組合の給付には、大きな差があるからです。
共済組合の付加給付制度
通常、高額な医療費がかかった時は「高額療養費制度」により、自己負担の限度額が定められています。
高額療養費制度については以下の記事をご覧ください。
この高額療養費制度は法定のため、どの健康保険でも一緒ですが、一部の健康保険組合や共済組合には、さらに自己負担が軽減される「付加給付制度」が存在します。
付加給付制度
高額療養費の限度額から、さらに自己負担を軽減する制度
軽減される金額は健康保険組合や共済組合により異なる。
共済組合の場合、以下のような付加給付の設定が多いです。
●一般所得者 (標準報酬月額500,000円以下)
支給額=自己負担額-25,000円
●上位所得者 (標準報酬月額530,000円以上)
支給額=自己負担額-50,000円
高額療養費制度では、月の自己負担限度額は約8万円となりますが、上記のとおり、一般所得者ではさらに25,000円を超える部分が上乗せで支給されます。
多くの共済組合の自己負担限度額は25,000円(一般所得者)となっている
この付加給付制度は、全国健康保険協会にはありません。
医療費の負担が軽減されるため、会計年度任用職員さんにとって大きなメリットと言えます。
その他の福利厚生も拡充!
その他、共済組合によって多くの福利厚生が用意されているため、そういったものも受けられるようになります。
主なものをご紹介します。
共済貯金制度
共済組合員だけが加入できる積立預金制度。一般の金融機関より利率が高い場合が多い。組合によっては年2%以上も!
人間ドックの補助
人間ドックを受診した際に補助金が出る。全国健康保険協会の生活習慣病予防検診よりも受診できるメニューが充実していることが多い。
その他にも保養施設やレジャー割引など、たくさんの福利厚生があるため、メニューを確認してみましょう!
なお、共済組合によっては一部メニューは短期組合員を対象外としている場合もありますので、あわせて確認してください。
せっかくのメリットですので、しっかり活用しましょう!