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iDeCoは『手数料』と『受け取り方法』に注意しよう!

2024年12月からiDeCoの掛金拠出限度額が拡大されます。

NISAの拡大とあわせて、この機会にiDeCoも始めようと検討している人も多いと思いますが、NISAと違いiDeCoは「手数料」と「受け取り方」に注意する必要があります。

iDeCoのメリットをしっかり受けるために要チェックです!

iDeCoにかかる手数料はたくさんある

iDeCoには、信託報酬といった商品にかかる手数料のほか、口座保有などにかかる手数料があります。

iDeCoの手数料

積立期間中の手数料は、運営管理機関手数料が0円であれば、最安値の171円になります。

運営管理機関手数料を0円としている金融機関は、楽天証券やSBI証券などネット証券系を中心にたくさんあります。

金融機関を変更する場合などに発生する移換時手数料は、逆にネット証券系を中心に4400円かかるところが多くなっています。

手数料が高すぎると節税効果を上回る場合も…

iDeCoのメリットのひとつに、積立期間中の節税効果があります。

掛金拠出額が所得控除の対象となるため、掛金拠出金が多いほど、また所得税率が高い人ほど節税効果は大きくなります。

一方、手数料は掛金拠出金の金額に関係なくかかるため、節税目的でiDeCoを始めたにもかかわらず、手数料のほうが高くついてしまう事もあり得ます。

iDeCoの節税効果

毎月の拠出金が5000円、所得税率10%・住民税率10%と仮定すると…

節税できる金額 約1000円/月

節税できる金額が毎月1000円の人の場合、運営管理機関手数料が毎月500円の金融機関を選ぶと、その差は500円となります。

さらに、この人が受け取りの際、年金で毎月受取を選択すると、給付事務手数料が毎月440円かかります。

仮に20年間積み立てて、20年間の毎月受取にすると、節税した分は手数料でほぼ消えることになってしまう計算です。

手数料を抑えるには

このように、iDeCoには特有の手数料があるため、できるだけ手数料を抑えたほうがよいということになります。一律でかかる手数料は仕方ないとして、抑えられる部分は抑えていきましょう。

運営管理機関手数料0円の金融機関を選ぶ

金融機関を選ぶ際に、「運営管理機関手数料」は比較ポイントとなります。

手数料を抑えようと思ったら、0円の金融機関を選ぶ必要があります。中には、条件付きで0円となる金融機関もあるため確認しましょう。

そもそも運営管理機関とは、iDeCoの口座開設をする金融機関のことであり、運営管理機関手数料とは、ある金融機関では次のように説明されています。

運営管理機関手数料

「運用商品の選定、資産運用に関する基礎的な資料ならびに運用商品に関する情報の提供、個人ごとの積立金の記録・保存等の事務に係る手数料」

もし手数料がかかる金融機関を選ぶのであれば、上記のようなサービスの対価として支払う手数料であることを理解して判断しましょう。

給付事務手数料を抑える

給付事務手数料は、受け取りのたびに440円取られます。

iDeCoの受け取り方法は、以下の中から選択することになります。

iDeCoの受け取り方法

  • 一時金による一括受け取り
  • 5年~20年の年金受取(支払回数は年1回~毎月)

手数料は『一時金による一括受け取り』手数料が最も安くすむ方法になります。

年金受取にする場合も、できるだけ回数が少ないほうが手数料が安くなります。

iDeCoは受け取り時に課税される

手数料を抑える受け取り方法は前述のとおりですが、iDeCoの受け取り方法は、税金の面でも注意が必要です。

iDeCoはNISAと同じく運用益は非課税ですが、NISAと異なり、受け取り時にその金額に対して税金がかかります。

「積立期間中は所得控除の対象となり節税効果がある」と言いましたが、受け取る際に税金がかかる事を考えると、節税ではなく、課税が繰り延べされている(税金を払うタイミングを先送りしている)とも言えます。

運用益が非課税でも、受取額に課税されたら意味なくない?

そこで、iDeCoには受取時の税金を減らすための優遇措置があります。

その優遇措置を使って、できるだけ受取時の税金を減らすことで、真に節税効果があるといえます。

一時金による一括受け取りの場合の税金

一時金による一括受け取りの場合、退職所得控除の対象となります。

簡単に言えば、退職金として課税されるので、非課税枠が大きく、すべてを非課税で受け取れる可能性もあります。

注意点としては、基本的に、他から受け取る退職金と合算されるケースが多いため、会社からの退職金がたくさんもらえる人は、控除が十分に受けられないことが考えられます。会社からの退職金で控除をすべて使い切っている場合、iDeCoの一括受け取り時には控除が受けられないこともあります。

年金による受け取りの場合の税金

年金による受け取りの場合、他の公的年金と同じく、公的年金等控除額の対象となります。

他の公的年金と合わせて計算され、非課税で受け取れる可能性は低いです。

一方で、年金として受け取っている期間も運用されるというメリットがあるため、受け取りの最長期間20年を選択しつつ、受取は年1回にして手数料を抑えるという方法も考えられる。

このように、iDeCoは受け取り方法の選択はけっこう重要なポイントになります。

なにより「運用すること」が大事

ここまでの話のとおり、iDeCoはNISAと異なり、期間中の手数料を考慮する必要があること、また受け取り時の税金や手数料を考慮する必要があることがお分かりいただけたと思います。

ただし、iDeCoもNISAと同じく「運用益が非課税」ということが最大のメリットです。

極端な話、運用して利益が増えれば、細かい手数料や税金などのコストを吹き飛ばせることにもなります。しっかりと運用して「運用益非課税のメリットを得ましょう。

節税目的でiDeCoを始めて、そのまま放置している

このような人もたまに見かけますが、これは避けたほうがよいです。もし節税目的でやるなら、手数料や受取時の税金についてよく考えて、トータルで損をしないように考えていく必要があります。

NISAは運用益非課税で、口座にかかる手数料は無料、解約も自由にでき、また新NISAになり投資上限も非課税期間も大幅に拡大されます。

手数料や受け取り時の面倒を省きたいのであれば、NISAの枠が残っているうちは、NISAに投資資金を回した方が賢明かもしれません。

まとめ

iDeCoは『手数料』と『受け取り方法』に注意!

  • 金融機関を選ぶ際は、運営管理機関手数料の違いをチェック
  • 「一時金による一括受け取り」と「年金での受け取り」どちらにするかで節税の効果が変わる
  • しっかり運用して「運用益非課税」のメリットを得る

iDeCoのメリットを最大化するためにしっかりチェックしてください!