副業については、最近このようなイメージがついてきたと思います。
確かに、副業を解禁する企業はコロナ後に急増しています。
しかし、実際に副業をしている人の多くは「生活のために、高ストレスを抱えてやっている」という実態があるようです。
副業の現状を知ると、理想の働き方を考えるきっかけになるかもしれません。
そんな思いをお持ちの方は、副業の現状を知ることで、理想の働き方を考えるきっかけになるかもしれませんよ。
副業を認めている企業は約4割
厚生労働省が2020年に行った調査ではこのようになっています。
2012年の調査では、認めていない企業が85.3%だったため、かなり増加していることが分かります。
すでにこの調査から2年以上経過しているため、現状はもっと多いかもしれません。
実際に、経団連が2022年に行った調査では70.6%が認める(今後認める予定も含む)と回答しています。この経団連の調査では、10年前~新型コロナ以前は副業を認めている企業は25%程度で推移していましたが、新型コロナを契機に約7割まで急上昇しています。
なぜ会社は副業を認めない?(労働時間の通算ルール)
労働基準法では、異なる事業所での労働時間を通算することが原則となっています。これにより、時間外労働の管理や割増賃金の支給など、企業側に負担になる場合が多く、副業を認めない理由と言われてきました。現在もこの通算ルールは変わっていませんが、近年の厚生労働省のガイドランでは「労働者の自己申告をもって通算する」という基準を明確にし、企業側の負担軽減を図ることで副業解禁を促進しています。
副業している人は企業に受け入れられない?
一方で、経団連の調査では、副業者の受け入れもついても調査しています。
これによると、
副業者を
「受け入れている」と回答した企業 16.4%
「今後認める予定」と回答した企業 13.8%
こちらも新型コロナ前は10%程度でしたので、新型コロナを契機に急増しています。
とはいえ、あまり積極的に受け入れていない印象です。
自社を本業として、「副業」することは、スキルアップなど自社への好影響を期待して認める一方で、副業する人材をどう受け入れていくかの検討はなされていないのではないでしょうか。
ただし、こんな結果も出ています。
今後、社会の人材不足が進むと、より受け入れられていくようになるのではないでしょうか。
副業している人は約1割
では、副業をしている人の割合はというと、全体の9.7%となっています。
(労働政策審議会安全衛生分科会資料(令和2年8月26日)より)
多いと思いましたか?少ないと思いましたか?
総務省が実施した2012年、2017年の調査では、約4%でした。
同じ調査ではないので単純に比較はできませんが、増えていると予測できます。
圧倒的に多い副業の理由「収入のため」
副業をしている理由はというと「収入のため」が圧倒的に多くなっています。
副業をしている理由
「収入を増やしたいから」 (約50%)
「1つの仕事だけでは収入が少なすぎて生活できないから」 (約40%)
ちなみに、副業している人の悩みはというと「収入が低い」が最も多くなっています。
収入が低いのは「本業、副業ともに」となっています。
そして、副業している人の1ヶ月の総労働時間は、「280時間~320時間未満」が最も多くなっています。
副業でお小遣い稼ぎというより、生活するためにWワークしているといった状況のようです。
なお、副業している人の本業はというと、「自由業・フリーランスが約30%で最も高く、 次いで「自営業」が約20%です。
本業の収入では生活できないから、といった事情も考えられます。
副業をしている人のほうがストレス若干高め
企業が実施するストレスチェックの結果と副業の有無についての関係も示されています。
その結果、総労働時間数が同じでも、副業をしている人のほうがしていない人より高ストレス者の割合が若干高い結果となっています。
2020年時点の調査のため、現在状況は変わってきているかもしれませんが、この結果を見ると、楽しく稼ぐ副業のイメージと実態は少し違うようです。
まとめ 収入のためではない副業を!
・副業を認める企業、副業者を受け入れる企業は増加傾向
・副業をしている人は約1割
・副業をしている理由の多くは「収入のため」
・副業をしている人はストレスが若干高め
楽しく収入を増やせるイメージのある副業ですが、現状で副業を行っている人の多くは、そのイメージとは違い、必要に迫られていくつかの仕事を掛け持ちしている、という実態のようです。
楽しく副業するためには「生活のため」になりすぎないよう、余裕をもって続けられる経済的安定が必要だと感じます。
そのうえで、やりたいことを楽しく続けられる副業が見つけられると理想的ではないでしょうか。
本業、副業だけではなく、資産運用なども取り入れて、無理なく理想のライフスタイルに近づけていけると良いかもしれませんね!